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【株の用語解説】ストックオプション

■ストックオプションとは

 ストックオプションとは、ある会社の経営者や従業員が一定期間内に予め決められた株価(権利行使価格)で自社の株を購入することができる権利のことを指します。例えば、Aさんが働いている会社から権利行使価格100円のストックオプションを1万株与えられたとしましょう。このストックオプションはあくまでも「権利」なので、必要なければ100円で1万株を購入しなくても構いません。つまり、Aさんは自分の会社の株価が100円未満の時は、わざわざストックオプションを行使して100円で株を購入する必要がないので、ストックオプションの権利は行使されません。しかし、もし株価が100円を超えてきたらどうでしょうか。仮にAさんの会社の株価が150円にまで上がったとしましょう。この時、Aさんはストックオプションの権利を行使して、自社の株を100円で購入できます。そして、その株を即座に株式市場で売却することによって、一株当たり50円、総額で50万円の株式売却益を得ることができるのです。このように、ストックオプションは株価が権利行使価格よりも高くなった場合に、ストックオプションの保有者に利益をもたらす仕組みといえます。

 

■なぜ、ストックオプションが用いられるのか

 このストックオプションが用いられる主な理由は2つあります。第一の理由は、株主と経営者・従業員の利害を一致させるためです。株式会社では、経営者は株主の代理人として企業経営を行っていますが、しばしば経営者と株主の間には利害の不一致が生じます。例えば、株主は企業がより多くの利益を上げることで株価が上昇したり、多くの配当がもらえることを望んでいます。しかし、経営者は時に見栄のために利益を度外視してシェアを高めようとしたり、経営者自身や従業員に高額の報酬を支払い、利益を減少させてしまったりします。こうした利害の不一致を解消するために、経営者や従業員にストックオプションを与え、株価が上昇すれば株主だけでなく経営者や従業員も多くの利益をもらえるようにすることで、経営者や従業員の行動が株価の上昇に直結するよう動機づけているのです。

 第二の理由は、財務的な余裕がない企業でも優秀な人材を集めるためです。ストックオプションは経営者や従業員に権利を与えるだけなので、企業が現金として報酬を支払う必要はありません。そのため、ベンチャー企業のように成長のポテンシャルはあるけれども、人件費に資金を回す財務的な余裕がない企業にしばしば用いられます。

 

■株価への影響

 ストックオプションの発行は株価を上昇させることもあれば、低下させることもあり、一概には言えないので注意が必要です。ストックオプションを企業が発行すると、権利行使価格までは経営者や従業員が株を保有し続け、かつその株価を超えるまでは株価を高めるための行動に専念してくれるので、株価は上昇しやすくなります。しかし、株価が権利行使価格を超えてくると、ストックオプションの権利を行使し、株を売却する人が増える上に株の希薄化が生じるので株価が上がりにくくなります。そのため、ストックオプションが発行されたというニュースを見た時は、権利行使価格がいくらなのか、またその株数がどれぐらいなのかを把握することが必要となります。