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オバマケア代替法案失敗で日本の景気への影響はどうなる?

日経平均は米長期金利の影響を受ける

株をやっている人なら経験から実感として分かっているとは思いますが、日本の景気動向はアメリカの長期金利の動向に結構影響を受けたりします。今回は、そこの所をデータで確認しながら、オバマケア改革に挫折したトランプ政権が今後日本景気にどんな影響を与えるかを考えてみます。

まずは米長期金利の変動がかなりドル円レートを左右することから確認

まずは、米長期金利がより直接的に影響を与えるドル円レートについてみてみましょう。米長期金利が上昇すると、当然それまで以上にドルで資産を保有しようとする人が増えるので、相対的にドルの価値が高まり、円の価値が低下します。つまり、円安ドル高になります。そのことを確認できるのが次のグラフです。米長期金利とドル円レート_相関図

このグラフは、横軸に米長期金利(10年国債の金利)の変動をとり、縦軸にドル円レートの変化量を実数でとったものになります。つまり、このグラフの右側に行くほど、前日よりも金利が上昇したことを示し、このグラフの上に行くほど円安に振れたことを示しています。

ただし、日本とアメリカでは時差があり、アメリカが日本での前日(16時間の時差)になるため、実際には米長期金利の変化が次の日のドル円レートに影響を与える、と考えてもよいでしょう。

そこまで理解してもらった所で、上の図を見てもらえば、きれいに正の相関関係があることが分かります。つまり、米長期金利が上昇した翌日には円安ドル高になり、逆に米長期金利が下落した翌日には円高ドル安になっていることも分かります。

(ひょっとしてこれだけでもかなりの確率でFXで勝てるようになるんだろうか…?)

このように、米長期金利とドル円レートには正の相関がみられることが分かります。

次は、ドル円レートと日経平均株価との関係を確認

次にチェックするのはドル円レートと日経平均株価との関係です。一般的に、円安の方が輸出産業が多い日本経済にとっては好ましいと言われています。つまり、円安になれば日経平均株価が上昇し、円高になれば日経平均株価が下落するという関係がみられるはずです。そのことを確認したのが次のグラフです。ドル円レートと日経平均株価_相関図

このグラフは、横軸にドル円レートの変化量をとり、縦軸に日経平均株価の変化量をとったものになります。なので、横軸の右側に位置する点ほど前日に比べて円安に振れたことを示しており、縦軸の上側に位置する点ほど株価が前日よりも上昇したことを示しています。

このグラフを見てもらえばわかるように、ここでも正の相関がみられることが分かります。つまり、円安に振れれば、日経平均株価が上昇するということです。

一つ、注意しなければならないのが、ここでのドル円レートではその日の高値(最も円安になった時)を採用していることです。なぜか、ドル円レートの終値や始値ではここまできれいな相関関係を見出すことができませんでした。もしかしたら、株を購入する人たちはその日の最も円安になった時が最も印象に残っているのかもしれません。まあいずれにせよ、円安に振れれば日経平均株価が上昇するのは間違いないでしょう。

つまり、問題は米長期金利が今後どうなるか

ボックスアンドアロー_米長期金利・ドル円レート・日経平均株価ここまで読んでくださった方はもうお分かりでしょう。つまり、私たちが気にしなければならないのは「米長期金利が今後どうなるか」です。米金利が上昇すれば円安が進行し、それによって日経平均株価が上昇しますが、米金利が下落すればその逆が起きるからです。

では、米長期金利は今後どうなるか?

先週の日経ヴェリタスを読んだ限りでは専門家の意見は分かれているようです。その理由はただ一つ、「トランプ政権の経済政策の実行能力に関する読みの違い」です。

これまでトランプ政権下での株価予想をことごとく当ててきた債券王ジェフリー・ガントラック氏によれば、オバマケア改革はトランプ政権の改革案の中でも最も通りやすいもので、それが失敗に終われば、そもそものトランプ政権の経済政策の実行能力が疑われ、それによってこれまで期待から上昇していた株価が下落する、とのことです。 そして、当然、アメリカの景気が悪化すれば、アメリカは利上げをする余裕はなくなるので、米長期金利は上がらず、日経平均株価も上昇しない、ということになるでしょう。

人は学習し、成長するってこと忘れてません?

しかしながら、本当にそんなに簡単にあのトランプが引き下がるでしょうか?

あのトランプグループを築き上げた稀代のビジネスマンがこのまま引き下がるとは思えません。おそらくは今は、これまでのビジネス界でのロジックと政治の世界でのロジックの違いを理解し、適応している段階ではないでしょうか。そして、その適応が終われば、トランプは再び力強い交渉力を発揮し、公約を実現させていく可能性も多いにあります。

経営学者の研究によると、ある企業でエースとして活躍している人を引き抜きいたとしても、すぐに前の企業でのパフォーマンスを発揮できるわけではなく、その企業なりの文化などに慣れる時間が必要で、その準備期間が過ぎれば元通りのパフォーマンスを発揮することが分かっています。

こうした研究結果も踏まえれば、ドナルド・トランプ氏が政治の世界においてはどのように交渉すれば、自分の考えが通りやすいのかをそのうち理解し、ビジネス界で発揮したような優れたパフォーマンスを見せることが予想できます。そうなると、トランプ政権はしばらくの潜伏期間の後、経済政策の実行能力を見せ始め、それによって米景気が上向くことになるでしょう。そうなれば、アメリカは利上げをしやすくなり、日本にも良い影響がもたらされると予想できます。

個人的には、この後者のトランプが学習し、利上げが結局行われるというシナリオに賭けてみようと考えています。

このブログを読んでくださった方にもいろいろな意見があると思いますので、よければコメント欄で「それは違うよ」とか「同じ意見だ」などあれば、ぜひとも意見を聞かせてください。