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隠れたBtoB企業ミスミの事業戦略とその成長性は?

そもそもミスミってどんな会社だろうか

株式会社ミスミグループ(9962)は、FA機器や金型、エレクトロニクスなどの主に生産材を扱っている企業です。FAとは、Factory Automationの頭文字をとったもので、簡単にいってしまえば、コンピューターの制御装置を使って工場を自動化することを指します。基本的には商社に分類されますが、商品の企画・販売も行っています。

 

 

2015年度の売上高は2085億円で、営業利益は237億円、なんど営業利益率は11.4%もあります。総合商社大手の三菱商事の2015年度における営業利益率は0.1%、三井物産では2.5%であることを考えると、極めて利益率の高い商社であるといえるでしょう

 

このミスミという会社の名前にはなじみのない方がほとんどかもしれません。しかし、ビジネス小説が好きな方であれば、ビジネス小説の名著として名高い『V字回復の経営』を知っている方なら大勢いらっしゃるのではないでしょうか。実は、この『V字回復の経営』の著者である三枝匡(さえぐさ ただし)氏が社長を務めていた企業でもあります。

(ちなみに、この三枝匡氏は2015年に母校の一橋大学に5億円もの寄付を個人でしたそうです…そんな財力がうらやましい…)

 

V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

 

 

では、ミスミの成長性は?

ミスミは、5期連続で売上高と利益の過去最高を更新してきていますが、この過去最高の更新はいつかは途切れるもの。途切れたところで株を買ってしまっては、株価が上がらず儲けることもできません。そこで問題となってくるのは、この高い成長性がどこまで続くかです。

 

結論から言ってしまえば、今後も少なくともしばらくは「インダストリー4.0」や「loT」の影響を追い風に成長を続けるものを思われます。この「インダストリー4.0」や「loT」は簡単に言ってしまえば、ITを駆使した新しいモノづくりを意味しています。サプライチェーン全体をネットでつなぐことで、どの工程で工程間在庫がたまりすぎているのかといったサプライチェーンが抱えていた課題や問題を全体最適の観点から解決しやすくなるのが、最も大きな変化です。

 

日本でもこうした自動化は行われてきましたが、問題の発見などの付加価値の高い領域は人間がになってきました。インダストリー4.0やlOTでは、そうした今まで人間が担ってきた領域でさえ、これらの技術を駆使することでより容易になると考えられています。

 

こうした付加価値の高い領域の自動化にはミスミは迅速に対応でき、かつ実は生産材の競争環境においてはミスミのように迅速な対応を可能にしている企業はそれほど多くないのです。つまり、今後、大きな市場が見込めるにもかかわらず、ライバルの少ないブルーオーシャンでミスミはビジネスを行うことができることを意味しています。

 

こうしたことから、ミスミは今後も高い成長を見込むことができる企業だと言えそうです。

 

ミスミの株主還元策は?

さて、ミスミが極めて優秀な企業であることはわかっていただけたのではないでしょうか。しかし、どれほど優良企業であっても株主を無視するような経営をしている企業に投資するのはいただけません。では、ミスミはどうなのでしょうか。

 

ミスミは、配当性向は25%とそれほど高いわけではありません。しかし、これは株主を軽視しているからではないでしょう。今、インダストリー4.0やloTといった新しい波が来ている中で、株主に利益を配当という形で還元するというよりも、ビジネスに投資をして企業価値を高め、株価を高めるという形で株主に還元しようとしているものと思われます。

 

ミスミはあまりなじみのない企業ではありますが、隠れた優良企業として注目に値する企業であることには間違いありません。